受験を終えて 新HSK6級編
去る2014年3月16日、新HSK6級と口試(高級)を受験しました。
結論から書きますと、受験するのが早過ぎました。
特に口試は惨敗でした。
まずは、筆記である新HSK6級の説明から綴ります。
9:10~ 受付開始
9:30~ 説明開始
まずは日本語で説明がありました。最後に、「ここからは中国語で進行します。」とのアナウンスがあり、中国人と思わしき女性が中央に立って話し出しました。その女性、日本語が自然だったので、この時まで中国人だとは思いませんでした。言われれば確かにそうかなというレベルでした。
ともかく、こちとら新HSK4級受験の時から現地で中国語だけの司会進行で受験してますので、これにはまったく動じませんでした。5級も同じ場所で受験しましたが、試験前に繰り返し、
・携帯の電源を切る。
・不正を怪しまれたくなかったら鞄を前に持ってくる。
の2つを強調していたのを思い出しました。ちなみに、あまり関係ありませんが、2回とも同じ女性試験官でした。
まぁどうでも良い話はこの辺にして、そろそろ新HSK6級のテスト内容を説明します。
新HSK6級は、听力(聴解)、阅读(読解)、书写(作文)の3つから構成されています。
1.听力(聴解)
第一部分:ナレーションを聞いて、4つの選択肢から正答を選ぶ問題です。計15問。
第二部分:まず、長い会話文を聞きます。その後、5つの質問に対して各4つの選択肢
から正答を選びます。会話は全部で3つです。計15問。
TOEICのPart3と同じ要領です。
第三部分:まず、長いナレーションを聞きます。その後、3~4つの質問に対して各4つ
の選択肢から正答を選びます。会話は全部で5~7つです。計20問。
TOEICのPart4と同じ要領です。
基本的に第一部分、第二部分、第三部分の順に難しくなります。ただ、あくまで直前の模試の結果ですが、私の場合、なぜか第一部分の正答率が極端に低いです。模試の結果を単純に1問2点で計算した場合、听力の合計点は毎回大体50点前後でしたが、第一部分の正解は数問でした。
第一部分の解答はどれも似ており、ある意味確実に理解していないと正答を選ぶことができません。ただ、長文の正答率は良いので、訓練次第で比較的簡単に解決すると思っています。よって、この听力については楽観視しています。
2.阅读(読解)
第一部分:間違い探しです。4つの選択肢の中から、文法的に誤っている文を選択
します。計10問。
第二部分:穴埋め問題です。各設問とも4つ前後の空欄があり、各選択肢には空欄と
同数の単語が記載されています。そして、最適と思う組み合わせを選択
します。計10問。
第三部分:穴埋め問題です。第二部分の選択肢は単語でしたが、第三部分では選択肢
が文章になっており、難易度が増しています。長文2つで、空欄は各5つ、
選択肢も同じ5つです。計10問。TOEICのPart6と同じ要領です。
第四部分:長文読解です。長文ごとに4つの設問があり、各設問の4つの選択肢から
正答を選びます。長文は5つで、計20問。
TOEICのPart7のシングルパッセージと同じ要領です。
これも基本的に第一部分、第二部分、第三部分、第四部分の順に難しくなります。
ただ、これもあくまで直前の模試の結果ですが、第一部の間違い探しではほとんど正解を選ぶことができません。四つの選択肢すべてが正解に見えてしまうという典型的なダメパターンです。
さらに、第二部分は気持ち的には簡単なのですが、同じく正答率が低いです。一方で、長文問題の第三部分と第四部分の結果はかなり良く、この二つでほとんどの点数を稼いでいるといった始末です。
模試の結果を単純に1問2点で計算した場合、阅读の合計点も毎回大体50点前後でしたが、第一部分と第二部分はほとんど点数に寄与しませんでした。
よって、実際のテストでは、第四部分→第三部分→第二部分→第一部分の順に解答しました。理由は、私にとっては、長文読解の第三部分と第四部分は時間さえ確保できればさほど難しくない反面、文法問題の第一部分と語彙問題の第二部分は、知らなければ考えたところでわかりません。従いまして、現実的に考えて、後ろから順番に解いた方が良いと判断しました。
実は、この方法はTOEICテストで実施済みです。TOEICのReadingセクションで時間が足りないと嘆いている方も多いと思いますが、試験直前のある時、Part7の長文問題は、時間をかければさほど難しくないことに気づきました。
そして、試験当日、Part7→Part6→Part5の順で解くことで初めてちゃんと全問説くことができ、実際Readingの点数も前回より50点上がりました。もちろん点数が上がった理由はそれだけでは無いと思いますし、実力向上という意味では、この方法は根本的な問題の解決にはなっていませんが、力をすべて発揮するという意味では有効なテクニックであると思います。今後の参考にして下さい。
3.书写(作文)
作文では、まず1,000字くらいの文章を10分間(阅读)かけて読みます。この間にメモは一切できません。内容を理解すると共に、時間、場所、人物、原因、経過、結果などのポイントを暗記する必要があります。その後、35分間(缩写)の解答時間が与えられます。題は自由に決めて良く。400字前後に要約した文章を書きます。
なお、直前の説明では、「解答で使用する文字は繁体字でも大丈夫ですが、簡体字との併用は避けてください。」とのことでした。
今回は、「虎の威を借りる狐(狐假虎威)」でした。
まず最初の5分で一通り読み終え、残りの5分でキーポイントになりそうな以下の語を暗記しました。
从前,一个森林,老虎,朴了过去,狐狸,百兽之王,天神,王中之王,前面狐狸后面老虎,一起跑,欺压,狐假虎威,等等。
メモできないのがつらいところですが、試験中は通常よりも集中力が高まっているため、これくらいの数でしたら全く問題ありませんでした。
作文の35分が始まると、まずこれらの語を忘れないように欄外に記入します。あとはこれらの語を見ながらストーリーを思い出していき、原文のストーリーに沿った形で手書きしていきました。最後に欄外に書いた単語を消して終了。最初余裕をこき過ぎたため、最後は慌てて書くことになり、結果、見直す時間が取れなかったのは反省点です。
400字前後に要約しなければなりませんが、少なくとも、最初から合計で何文字になるか計算してから解答することは、時間的に無理です。書きながら調整していくしかありません。
反省点は、虎、兽、欺などの一部の語を書き間違えたことと、觉得や但是、然后などの語を何度も使ってしまったことです。认为,可是,于是などの似た語をもっと使うべきでした。ただ、それだけ余裕が無かったともいえます。しかしながら、キーポイントとなる語を盛り込みつつストーリーに沿った形で書くことができましたし、文字数も400字のラインを少し越えたところまで書くことができましたので、まずまず60点以上は取れていると思います。
4.まとめ
以上を鑑みますと、点数は书写、听力、阅读の順に良いと思われます。結局、新HSK5級の時と得意不得意分野の順序は同じになりそうです。
正直、当日は結構集中しており、直前の模試の結果よりは良い結果がでるとは思いますが、今回は合格するのはちょっと難しいかなと思います。そもそも6級のレベルに達していないというのを実感したのがその理由です。
しかしながら、HSKの採点方法は非公開ですし、听力と阅读は共に前半より難しいとされる後半の方が正答率が高いです。このため、思ったより高得点が出る可能性もあります。
また、試験の場合は一般的にいって、全然ダメなら見込みはありませんが、ちょっと厳しいかなと思うときは大体合格するそうです。確かに、4級も5級もちょっと厳しいかなと思っていて合格しましたので、6級も意外と合格してしまうかもしれません。
そして、受験前はとりあえずギリギリで良いので合格しておきたいと思いましたが、現時点では例え合計で180点を超えていなくても、今の自分の実力として受け入れる心構えができています。
まぁあくまで目標は満点レベルの中国語力を獲得することですので、今回はただの通過点と考えれば、合格か不合格かはさほど大きな問題ではありません。いずれにせよ、今回受験したことで自分の弱点がよくわかりましたので、それが一番の収穫だと思います。 つまり、
・相手の言っている内容だけでなく、ニュアンスまで完全に把握する力。
・文法的な間違いを見抜く力。
・根本的な語彙力。
以上の能力を今後伸ばす必要があります。
多听多看です。
長くなりましたので、口試(高級)の結果は次回報告します。