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中国から発信する中国語学習への取り組み

ウサギはどこ?

【コラム】言いまつがい ~その1~

 

今月は下旬になるまで忙しいので、次の話へ移る前にしばらく小話で乗り切りたいと思います。

 

ちなみ、日本人以外の読者のために「言いまつがい」について解説します。たぶん、辞書には載ってないと思いますので。「言いまつがい」とは「言い間違い」のことです。「言い間違い」という言葉自体を言い間違えることで、間違えたことを強調しています。10年前位から使われ始めたようですが、正式な言葉ではありません。

 

さて前回、2011年の12月から中国語学習に本腰を入れ始めたと書きましたが、その頃、その決断に至った背景を象徴する出来事がありました。私は中国人の同僚に、

 

「图纸在哪里?」

(図面はどこにある?)

※图纸=図面、在=いる・ある、哪里=どこ

 

とよく聞きましたが、その度に「はぁ?」という反応が返ってきました。

 

「まったく、中国人なのに中国語もわからないのか。」

 

自分では、彼らが言ってい图纸の発音をそのままマネていたつもりだったので、自分の中では発音は完璧だ(そもそもその思い上がりがダメなんですが)と思っていました。でも違いました。私は彼らに、

 

「兔子在哪里?」

(ウサギはどこにいる?)

※兔子=ウサギ

 

と言ってたのです(恥)。そりゃぁ、はぁ?ってなるよね・・・。ウサギはウサギ小屋にいるよ。なんていう冷静な切り返しがあるわけでもなく、かといって自分では間違っている自覚がなかったので、実際に図面を見せて、あぁー。っとなるワケです。

 

どうしてこうなったかというと、その頃の私は、発音、とりわけ四声を重視していなかったからです。

 

中国語の四声は、第一声、第二声、第三声、第四声、軽声の五種類あります。四声なのになんで五種類かというと、専門家ではないので正しいかどうかわかりませんが、軽声はただピンイン通りに発音するだけで上がったり下がったりという声調が無いからです。

 

当ブログでは今後、四声を以下の数字で表現したいと思います。

 

1:第一声・・・「ドレミファソラシド」の「ソ」か「ラ」辺りの高音で、

        一直線に一本調子で発音するイメージ。

2:第二声・・・「はぁ?」と聞き返すような、低音から高音へかけて発音します。

3:第三声・・・ちょっと低音に下げた後、高温へ向けて発音します。

        単純に第四声→第二声ではありません。レ点のようなイメージ。

4:第四声・・・高音から低音へかけて発音します。

        「企業」という発音の「企」の発音に近いです。

0:軽声 ・・・軽くボソッと発音するイメージ。

        「起業」という発音の「起」の発音に近いです。

 

四声の説明が終わったところで、ようやく本題。先程の内容をピンイン付で説明すると、

 

图纸 tu 2 zhi 3 = 図面

兔子 tu 4 zi 0 = ウサギ

 

となります。こう見ると、日本人にとって兔子の発音は 图纸と比べてかなり楽です。加えて、日本語はどうも第一声と第四声が多いような気がするので、その辺もあって图纸が兔子になったのでしょう。ちなみに、この間違いはまだ笑い話で済みますが、一歩間違えば、

 

「秃子在哪里?」

(〇ゲはどこにいる?)

※秃子 tu 1 zi 0 =〇ゲ

 

となってしまい、重大な事故を引き起こすとこでした(汗)。このような例はキリがありません。

 

买 mai 3 = 買う

卖 mai 4 = 売る

 

很棒 hen 3 bang 4 = たいへん+すごい =すばらしい

很笨 hen 3 ben 4 = とても+愚か = 〇カ

※很 = very

 

両方ともちょっとした発音の違いで意味が真逆になります。この重大さは、実際に中国で使って実感しないとわからないと思いますが、いずれにしても日本人にとって中国語の発音はネックであることは間違いありません。ちなみに先程の話に出てきた、

 

图纸 tu 2 zhi 3 = 図面

兔子 tu 4 zi 0 = ウサギ

 

は、四声だけでなくピンインも間違えているだろう言う方もいると思いますが、その通りです。zh iと zi の発音は違います。zi + 巻舌 = zhi です。そうなると、四声は不注意だったとしても聞いたとおりに発音できてないじゃないかという指摘もあるかと思いますが、これにはちょっとした理由があります。

 

私が駐在していたのは広東省です。中国では国内の南の地域を華南と呼び、広東省は華南の中でも一番栄えている地域です。香港の近くだと思って頂ければ結構です。

 

で、問題は、華南の人達は一般的に巻舌をする習慣がありません。特に広東省はその傾向が顕著です。つまり、正しくは zhi の発音も彼らが喋ると zi になるワケです。

 

これぞ広東マジック!!

 

って、違うか(笑)。